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昭和三十年頃の結婚準備
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昭和三十年頃の結婚準備
ここでは、食生活のための準備について、いろいろと考えてみましょう。
この食生活のための準備は、住生活のための準備のように、その一つ一つが一万円も二万円もするという用具は少ないのですが、新居に入ったその日から必要になるこまかい品物が多いのです。
こうしたこまかいものをそろえる準備について、家事研究家の吉沢久子氏にいろいろ何ってみました。
A準備するときの考え方
(イ)生活の形に合わせて選ぶ
まず、考えてみたいのが、これから始める
新生活をどんな形で暮らしてゆくか、ということ。
それには、二つのことがあります。
二人ともが外で働く共かせぎの生活をするのか、一人が外で働き、一人が家庭を守るという生活をするのか、ということが一つ。
もう一つは、どこに住むのか、ということです。
この二つの面から、二人でこれから始める生活の形を考え、それに合わせて食器その他の準備をつることがたいせつなのです。親の家の離れに住む場合と、アパートに住む場合とでは、準備する品物が違ってくるのは当然ですし、また狭い民間のひと間アパートで生活するのと、公団のダイニング・キッチンつきのアパートなどで生活するのでは、また用意するものが違ってくるのはあたりまえ、ということになりましょう。
せっかくじゅうぶんに買いそろえても、それを必要としない新居だったり、使いこなせない生活の形だったりするのでは、その準備がむだなことになります。
こういうむだはなるべく避けて、少ない予算をじゅうぶんに活用するのが、じょうずなやり方だといえます。
(ロ)器具を兼用できるように選ぶ
一つの食器でも、それを二つぐらいの目的に兼用できるようなものを選ぶと、それだけ場所をとらなぐてすむし、また経済の面からいっても、得になるわけです。
完全な準備は、多少落ち着けるようになってからすることにして、、最小限の品物を考えてみることにします。
二人用が最小限になりますが、とかく結婚当座は来客の多いもの。そこで、来客用としてもよい、広い利用範囲をもつものを選ぶのがよいのです。
たとえば、紅茶茶わんとコーヒー茶わんとが兼用できるものを選ぶこと。これなら二人ともコーヒー好きだが、あいにく来客がコーヒーぎらいだったときにも、そのまま使えるわけです。
また、ソーサーとよぶその受け皿も、中央が一段と低くなっていないものを選べば、料理のとり皿にも兼用できましょう。
さらに、これが広さのあるものなら、ブルーツ皿にも使えるというもの。
ご飯茶わんは二人前でよいのですが、皿は四~六枚ぐらい用意したいものです。
このそろえる数については、今までは、五個とか三個とか、奇数単位が多かったのですが、これかむは来客も夫婦単位のことが多くなることが望ましいので、なるべくなら四個なり、六個というような偶数単位でそろえたいと思います。
この皿を多く用意するのは、その上にご飯を盛って来客に出してもよく、いろいろなものに兼用できるからです。
これにつれて、スプーンも六つ用意しましよう。
しかし、ナイフやフォークは、はしでも代用できないことはないので、最小限の二~三入前でよいと思います。
これからは家庭料理も、今までのような日本料理というよりも、飲食店の店頭で見られる一品料理のような形-中華料理でも、西洋料理でも、一皿に盛ったものをみんなで分けて食べるという形-が多くなってくるのではないか、と思われるのです。
そこで何にでも兼用できる大皿とか、大鉢とかをいくつか用意すると、便利ではないでしょうか。
大鉢など、そのまま剣山でも入れて、花生けにも使えるわけです。
こうした兼用ということは、たとえばフライパンに加工して何かに兼用するというやり方ではなく、そのものがもっている働きを考えて、他の目的に応用するというもの。
使い方に無理をし、そのものがもっている働きを傷つけて他の目的を兼用させる、というのは望ましいことではないのです。
(ハ)選ぶ食器の色の統一を図る
準備する食器相互に、統一した色調をもたせる、ということです。
食器それぞれが、バラバラの色調をしていたのでは、見た目にも統一がなくて、美しいものとなりません。
それだけではなくて、色の統一がしてあれば、まだ一枚とか一個しかそろっていない食器があっても、それが全体の色調の統一の中に溶け込んで、少しもみみっちく見えない、という利点があります。
さらに新しく買い足してゆくときでも、一枚ずつ足していって少しもおかしくないわけです。
はじめに最もシンプル(単純)な形で準備しておき、それを次々に補充してゆくというのが、現在のやり方どしては望ましいのではないでしょうか。補充のきく形にするのがよいわけです。
このためには最近各地で行なわれている生活用品の頒布会を利用するのも、一つの方法でしょう。
不要のものがかなり入っているという欠点はあっても、伺じものがあとで補充がきく、安い、全体でどのくらいという計画が立てられる、という利点があります。これは団地の家庭などを対象に考えられているようです。
こういうことから考えてみても、今までのように、○○焼きなどという名品をそろえるというのではなくて、じゅうぶんに応用のきくもの、自分でその働きを活用できるもの、融通性の高いものを選んで準備する、ということがますます必要になってきているのではないでしょうか。
B最小限必要な食器と台所用品
ここでは、最小限の必要な食器と台所用品として何をそろえたらよいか、を考えてみましょう。
(イ)食器類としてそろえるもの
ご飯茶わん 数量二 価 100円
湯のみ 数量二 価 100円
きゅうす 数量一 価 200円
汁わん 数量二 価 300円
小鉢 数量二 価 100円
大鉢 数量一 価 200円
どんぶり 数量二 価 200円
コップ 数量六 価 150円
はし 数量二 価 80円
中皿 数量六 価 720円
コーヒー茶わん(受け皿つき) 数量六 価 800円
ミート皿 数量二 価 300円
ティースプーン 数量六 価 150円
ナイフ 数量二 価 180円
フォーク 数量二 価 100円
大スプーン 数量二 価 180円
お盆 数量一 価 500円
ふたもの(三段) 数量一 価 500円
茶こし(回転式) 数量一 価 220円
湯のみ(客用) 数量五 価 250円
茶卓(プラスチック) 数量五 価 350円
小判形大皿(大小) 各一 価 500円
などが、最小限の必要なものとして考えられます。
この中の、ナイフやフォークなどは、はじめはここにあげたように、最蛤単純膝形でそろえ、あとから補充してもよいでしょうし、またこれ.は、親しい人々からのお祝いに希望させていただく、ということも考えられましょう。
(ロ)台所用品および小物としてそろえるもの
流し 数量一 価 6000円
まな板 数量一 価 200円
包丁 数量一 価 230円
包丁掛け(ふきん掛け兼用) 数量一 価 250円
フルーツナイフ 数量一 価 100円
カン切り 数量一 価 80円
おろしがね 数量一 価 50円
皮むき 数量一 価 70円
かつおぶし削り 数量一 価 430円
菜ばし 数量三 価 20円
ご飯しゃもじ 数量一 価 50円
しゃくし 数量一 価 60円
穴あきしゃくし 数量一 価 60円
すり鉢 数量一 価 150円
すりこぎ 数量一 価 30円
ボール 数量二 価 150円
バット(魚用) 数量一 価 230円
バット(揚げ物用)数量一 価 230円
たわし入れ 数量一 価 100円
モルトプレン 数量一 価 70円
洗いおけ 数量一 価 200円
盆ざる 数量一 価 110円
ゴミ入れ 数量一 価 320円
魚焼き 数量一 価 60円
もち網 数量一 価 20円
鍋敷き 数量一 価 85円
ガスコンロ 数量一 価 790円
ガス台 数量一 価 5500円
流しのゴミ入れ 数量一 価 110円
泡立て器 数量一 価 100円
漬け物用ほうろうタンク 数量一 価 480円
ブリキバケツ 数量一 価 500円
野菜かご 数量一 価 320円
食器上げかご 数量一 価 320円
文化鍋 数量一 価 900円
シチュー鍋 数量一 価 670円
浅鍋 数量一 価 310円
中華鍋 数量一 価 350円
フライパン(ふたとも) 数量一 価 245円
蒸し器 数量一 価 600円
牛乳沸し 数量一 価 220円
やかん 数量一 価 540円
塩つぼ(400グラム入り) 数量一 価 250円
小麦粉入れ(1キログラム入れ) 数量一 価 200円
みそ入れ(400グラム入り) 数量一 価 290円
砂糖つぼ(500グラム入り) 数量一 価 250円
油カン(ステンレス) 数量一 価 430円
茶筒 数量二 価 160円
バター入れ 数量一 価 150円
バターナイフ 数量二 価 50円
醤油つぎ 数量一 価 100円
ソース入れ 数量一 価 60円
からし入れ 数量一 価 55円
メジャーカップ 数量一 価 180円
メジャースプーン 数量一 価 100円
などということになりましょう。
これらは食器類とも合わせて、公団などの一DKのアパートの台所に収納できるぐらいの量になっています。
九〇センチ幅で二〇~三〇センチの奥行きをもち、二段ぐらいの戸棚と別に食器戸棚が]つあれば、全部収納できるぐらいの量として考えてあるわけです。
ただ、これらの中で、鍋類だけはあまりあとで買い替えなくてもすむような、じょうぶなものを、多少費用をかけても、はじめによいものをじゅヶぶんに準備しておくのも賢いやり方。
電気釜(三二〇〇円)、フライパン大(九五〇円)、フライパン小(二〇〇円)、煮物用厚手鍋(七〇〇円)、牛乳沸し(二二〇円)、中華鍋(一一二〇円)、中華蒸し器(三八○円)、シチュー鍋(四五〇円)、ほうろう鍋(五〇〇円)などがそれで、合計約八○○○円近くかかりますが、長い間使ってゆけるので、かえって経済的です。
このほかにも、共かせぎの家庭ならば、電気釜とともに、タイムスイッチ(一四〇〇円)などが必要になりましょう。パン食ならば、パンケース(二二〇円)、トースター(一一〇〇円)などもほしいもの。
また、ジャー、魔法ビン、パーコレーター、天火、はかりなども、あれば、ちょうほうします。
さらに余裕があれば、ガス湯沸し器、電気冷蔵庫、ガスレンジ、サービスワゴンなども食生活を便利にしてくれるものです。
親しい人からのお祝いには、楽しむ分の食器目先の変わったものとか、予備の食器でときにとり変えて使いたいものとかをプレゼントに注文するのも、豊かな食生活を生み出す一つのくふうといえましょう。なお、ここであげた金額は、主婦の友社売店および都内のデパ}トなどでの最低価格に近いものを調べました。
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